45歳~60歳の年齢の多く、30歳台前半の若年者にも稀ではありません。
一方、70歳から80歳の高齢者でも乳癌罹患率は減らず注意が必要です。
米国では肥満や高脂血症が加わり、高齢者ほど乳癌が増えています。
年齢を問わずしこり(無痛性)、血性乳頭分泌液、乳房皮膚の凹みおよび
乳頭偏位や以前なかった陥没乳頭に気付いたとき、受診してください。
乳癌は専門病院(国立がん研究センター中央病院、武蔵野赤十字病院、聖路加国際病院、東邦大医療センターなど)へ紹介します。
≪参考≫
乳癌のリスクを下げる疫学的因子
1) 閉経前
授乳経験あり。肥満、身体的活動、大豆を多く摂取する、牛乳・乳製品、茶、野菜や果物。
2) 閉経後
授乳経験あり、身体的活動、大豆を多く摂取する、牛乳・乳製品、茶、野菜や果物。
乳癌の発症リスクを上げる疫学的因子
3) 閉経前後
アルコール(お酒やワインなど)、出生時に体重が重い。高身長
4) 閉経前
アルコール、肥満、高身長、腹部肥満、体重増加。高脂血症など。
ワインブームですが、節酒が大切です。
50歳過ぎたら太らないように。
また家族歴(祖母、母親、叔母、姉妹)の乳がんはリスクが増えます。
遺伝子検査は日本では限られた施設でおこなわれています(自費診療)。
乳癌の生存率
UICC分類、Ⅰ~Ⅱ期:90%、Ⅲ期:70%、Ⅳ期:30%になります。
10年相対生存率は約80%で甲状腺癌、皮膚癌につぎ良好な腫瘍です。
もっとも低い膵臓癌は5%以下、肝臓癌、胆管癌10~15%、肺癌は31%。
早期発見は月に一回の自己検診の励行(いつもと違うと感じたら翌月もう一回確認してから)早めに乳腺外科を受診してください。
公的な乳がん検診制度をもっと活用してください。2年に一回のマンモグラフィーの放射線被ばく量はCT検査に比べると僅かです。
検診制度(視・触診とマンモグラフィー)は乳癌ガイドラインによると推奨A(50歳以上)、B(40歳台)の有用なグレードに分類されます。
エビデンスレベルは高いので、必ず公的な検診は受けましょう。